敷地は、法隆寺東院からほど近い、古い木造住宅の残る地域にあります。建物は、母屋と離れの平屋2棟からなり、屋根は切妻の単純な形状の瓦葺で、 構造体がそのまま天井に現され、高いところでは4.4mの天井高となっていますが 窓の開口高さは1800mmまでにしぼって目線を低く庭へと誘導しています。庭は、法隆寺や周辺の住宅にも見受けられる松を各所に配し、グレーの細かい砕石を敷いて 色彩を抑えた外部空間としました。 街並みに馴染む意匠や素材を用いながらも、 埋没しない新しい表現を目指しました。