戸を開けて、中に入り、靴を脱ぐ。一歩踏み出すと、その足元には敷き込みのカーペット。大阪府堺市にあるこの家は、そこからずーっとカーペットの床が続いている。玄関ホールに廊下と階段。寝室や子供部屋、リビングダイニングはもちろん、キッチン、風呂場の前の脱衣所さえも。堀田カーペット株式会社の三代目、堀田将矢と家族が暮らす戸建です。少しやりすぎ? いえいえ、そんなことはありません。敷き込みのカーペットライフの可能性に挑む人らしい、ちょっぴり大胆で遊び心にみちた生活があります。 − こんにちは。まずは家の間取りを教えてください。 「2階建の3LDKです。1階にはLDKとバスルームやトイレ。中2階に寝室があって、2階は子供部屋になっています。いちばん下の子が生まれて5人家族になったときに新築しました。妻や建築家さんと相談しながら、なるべくカーペットの床が続くようにして、それを生かすような空間設計に。2年半前ですね。子どもたちはまだ小さいので、寝るときはみんなで川の字です」 − お子さん、みんな元気ですね。 「やばいです(笑)。カーペットの床になると、どこでも遊び場になるみたいで。飛んだり跳ねたり、好き放題やってます。2階の子供部屋は今はまだ家具や物がなくて広々してるので、特にここがはげしい。逆立ちしたり、なにか投げたり落としたり。僕も混ざってお相撲したり、ドッジボールすることもありますね。ウッドフローリングだったら危ないようなことも、躊躇なくやる。バク転の練習とかね。親の僕らも、カーペットだからっていう安心感があるから、目を離しがちっていうのもあるんでしょうけど。うちは3人兄弟なので、全員をずっとかまってられないし。子供がいっぱいいればいるほど、カーペットがいいのかもしれません」 − 床のほとんどがカーペットだと、いろんなところで遊べますね。 「そうですね。この家はだいたいぜんぶ、カーペットの床ですから。気がつくといろんな場所でいろんなことをしてます。段差があれば飛び降りるし、階段からも滑り降りたり。あとは逆にゴロゴロしたり。ウールのカーペットは、肌触りがサラサラして気持ちいいんです。だからいつもだいたい裸足だし。夏なんか特にいいんですよ」