姫路のヤクザ組織にも、ピンからキリまである。 昭和の終わりに竹中組が山口組を出て 壊滅状態になってから平成に入り、俺の率いる義竜会は 姫路の竹中組の残党を四分の一近く受け入れ 組員も150人程になり、一時は姫路最強・最大組織だと云われていた。 その 俺の率いた義竜会も、俺が事件を起こし 懲役に行く度に三代目山健組若頭補佐をしていた小山顕治率いる二代目村正会が力を付けて行った・・・ この村正会の二代目・小山顕治という男は ヤクザではなく 人に云わせると商売人で「仁義なき戦い」に出て来る共政会々長・山村辰夫がモデルかと思うぐらい 何から何まで良く似ている。 近年 暴力団がマンションや事務所を借りれなくなったのは、この小山顕治が 俺が借りていた自宅兼組事務所を地上げした事に端を発する。 この小山率いる村正会と 俺が率いる義竜会は上部団体が三代目山健組であり 中野会だった関係もあり、或る面ライバルだった。 そのライバルである俺が率いる義竜会を蹴落として、姫路で最大・最強組織になろうとしたのが 小山の運の尽きである。…