中央に十字架が型押しされた深みのあるブラウンレザーの表紙と裏表紙に真鍮の縁取りがされていて、バックルで閉じられるようになっています。大切に使われてきたのでしょう、経年で革表紙はいくらか擦り傷が付いていて、小口にも使い込まれた乱れを感じますが、しっかりとこの祈祷書を百年以上守り続けた真鍮ガードの強固さに感心させられるばかりです。乾いた革を手入れして潤いを戻したら、信仰の空白が埋められたような気がした、いつか誰かの祈りを支えた祈祷書です。1895年ランスの出版。