「先輩……、ほら先輩? お客さん呼んでますって、いいんですか?返事しないで」 「あ?あぁ……、今日はなんか客、多くね? 俺、もう喉カラカラなんだけど」 「確かに今日は男性の客、多いですけど。 最近は女子旅人気のせいで さっきなんてあたしの客ばっかりだったんですよ?」 「行楽シーズン、まだこれからなのにな。 バイト二人じゃ、やっぱきつくね? これ以上増えたら、俺ひとりで男客さばくの無理あんべ」 「ほら!おまえたち!何さぼってんだ! さっきからお客様、呼びかけているだろうが! ぜんぜん声が返って来ないって、向こうの山からクレームあったぞ!」 「あ、てんちょう〜〜 先輩がサボってば