佐藤淳平作品集Junpei Satoh works

2005~2021
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安波山展望台ANBASAN-TENBOUDAI
F10号キャンバスに耐水性不透明水彩 佐藤淳平:東日本大震災前の気仙沼。小さいながらも大川の砂は、10km先まで流れ、岩井崎沖まで堆積している。内湾の海底は鹿折川の砂が長年堆積。大正初期まで沼のような砂泥が広がり、海苔養殖に適した遠浅の内湾だった。現在、建ち並ぶ工場や住宅のある所が砂泥地帯。明治時代には、滝の入から南町まで、入沢から魚町まで二つの小川が流れ、内湾は泳げる砂浜だった。
陸中黒崎 RIKUCHYU-KUROSAKI
F8号 耐水性不透明水彩 佐藤淳平:鉄鋼石(酸化第一鉄黒色と酸化第二鉄赤褐色)と黄鉄鉱が剥き出しの状態で眺望できる。下の入り江ネダリ浜まで長い階段が降りている。遠方の高台は、久慈平庭高原と平庭岳(1,059.8m)、久慈三崎。高原地帯には白樺と南部赤松が群生している。
鵜ノ巣断崖 UNOSU-DANGAI
F10号キャンバスに耐水性不透明水彩 佐藤淳平:手摺り外側は、海抜約170mの断崖絶壁。公園が整備されているのは、団体旅行や修学旅行地のためか。この辺の地図を見ると地割と表記されている。コンビニやマーケットなど一軒も無いので、生活するには不便なところだが、1ヘクタール単位の区画で整備されている。現在は、移住希望者で埋まったかも知れない。地元生活者曰く「冬は寒く、0℃以下になる時もしばしばある」。
鵜ノ巣断崖 UNOSU-DANGAI
F8 耐水性不透明水彩 佐藤淳平:大潮干潮時間に鵜ノ巣断崖の麓の浜、真木沢海岸から白池海岸を歩くことができ、風景探索のため過去3回往復してみた。鵜ノ巣断崖は等高線のある詳細地図によると、海抜164m~175m。地元生活者に聞くと、海面の模様は昆布等の海藻地帯で、ウニが採れ、痩せた紫雲丹(ウニ)という事で出荷できないらしい。南部赤松林のある地域には松茸が自然植生、意図的に栽培されている場所もある。
水尻崎 MISSIRI-ZAKI
F10号キャンバスに耐水性不透明水彩 佐藤淳平:自分がもし10aの土地を耕すならば、ミニトマトを最初に栽培する。田野畑村真木沢は、久慈市から30km、宮古市から50km離れている。電気・ガス・水道は引かれていない。新規就農で露地栽培25t/10a-経費。太陽光発電売電料360万/10a-設備経費。
綾里崎林道
P8号キャンバスに耐水性不透明水彩 佐藤淳平:山林伐採など土砂や木材を運ぶために造られた道で、土砂や木材を積んだトラックが通る場合、対向車はバックして道を譲らなければならない。所々に広い場所があり、通行権の制限が一般常識としてある。
安波山展望台の眺望
SMキャンバスに油彩 佐藤淳平:標高180m地点。標高150m地点に駐車場があり、一般人でれば、車を置く事ができる。現在は、鶴亀橋と気仙沼ベイブリッジ(気仙沼湾横断橋) がかかり、ここからの景観が震災前とやや異なって見える。
陸中黒崎 RIKUCHYU-KUROSAKI
F10号キャンバスに耐水性不透明水彩 佐藤淳平:アンモ浦展望台からの眺め。左上に黒崎灯台、太平洋の大海原を一望できる。三陸沿岸では最も高い海抜210m前後の断崖だが、人と出会うのが希なほど、寂しい観光地だった。
水尻崎 MISSIRI-ZAKI
鵜ノ巣断崖の右ウィング。この場所の下の浜へ降りる道がある事はあるが、ついに見つからなかった。真木沢付近の高台に平屋が一軒あり、その地元生活者の話しによれば、「水尻崎の麓の浜へ降りるには、細い道を下り、帰りが大変。水尻崎の先へ行く道もある」。「真木沢海岸までは砕石を敷いた道が通っていて、車で降りる事ができる」という話だった。
鵜ノ巣断崖 UNOSU-DANGAI
六月は、霧や靄が三陸沿岸地帯で発生する事が多い。千島海流と親潮、気候の関係でやませが発生しやすく、海面約100mの高さまで靄が漂う。田野畑村真木沢・弥生沢付近の地割内で生活するには、換金性の低い家に住み、車・バイク無し、借金無しであれば、生活保護を受けられる。真木沢のじいさんは、そういう方法だったのかもしれない。地図上では45号線から鵜ノ巣断崖へ至る道の右側に沢が流れている。
明戸海岸 AKETO-KAIGAN
F8号キャンバスに耐水性不透明水彩 佐藤淳平:鵜ノ巣断崖と北山崎の調度中間に位置する砂浜の海岸。この辺りは民宿が一軒だけで、人影も稀な地域だった。
白池海岸 SIRAIKE-KAIGAN
真木沢海岸から白池海岸まで、大潮干潮時間に歩くと、休憩を加え往復3時間かかる。出口が見えず真っ暗で長い隧道(ずいどう)が1ヵ所、出口が見える隧道が3ヵ所ある。子供連れの場合はヘルメットと水筒・食料・懐中電灯も必要。途中、幅30cm~1m(雨後)の湧き水滝が流出している。坑道のような隧道には真木沢隧道、ながおり隧道、みひき隧道と名が付けられている。
綾里崎小黒岬
F8号キャンバスに油彩 佐藤淳平:標高150m程の一車線林道。2007年6月頃は、砕石敷きの凸凹道だった。左側崖沿いに軽い砂岩・片麻岩が表面に散在した凝灰岩などの火山岩地帯で、塩基性岩の所もある。砂地の浅瀬から隆起してできた岬のようだった。 少し出っ張りのある個所は、綾里崎の小黒岬。
御崎東側
P10号キャンバス耐水性不透明水彩 佐藤淳平:北方に大船渡市碁石岬と標高差のある綾里崎が遠望できる。中生代トリアス紀(三畳紀)に堆積した厚さ2m~10mの砂質海底岩盤が、大陸移動と隆起による重圧と溶岩熱で直立、あるいは海底を割る大隕石衝突と超巨大津波で折れ重なった地形。パンゲア形成期大変動の前後、地球規模の海退によって海面上に現れた三畳紀後期の赤味を帯びた堆積岩地帯。