中世の時祷書などの装飾写本の余白には、ドロレリー Drôlerie と呼ばれる、およそ本文の内容とは無関係なイラストがしばしば描かれます。 その中で頻繁に出会う題材の一つが「カタツムリと戦う騎士」です。 Gorleston Psalter, British Library Add MS 49622, f. 193v なぜ騎士はカタツムリと戦うのでしょうか。 中世ヨーロッパではカタツムリは「臆病」の象徴であったという説があります。それと騎士が戦い、しかも時に打ち負かされるというのは、倒錯した諧謔であったのでしょう。 しかしこれらのファンタジックなイメージの数
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