2023年7月21日、日本中世絵画史を専門とする山本聡美さんの著作『増補カラー版 九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』(KADOKAWA)が文庫化された。芸術選奨新人賞・角川財団学芸賞ダブル受賞作に補遺を付け、全作品をカラー掲載した決定版となっている。 今回はその中から、死体の腐敗を生々しく描く「九相図(くそうず)」が生まれた背景について紹介しよう。 「観想」とは何か 本書によると、「九相...
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